VAM265

プリアンプNAGRA PL-LからVPAへの出力は、しばらくはアンバラで出していました。PL-Lの内部はシングルエンドです。アンバランス出力は真空管から直結、バランス出力はトランス経由で出ています。単純に考えて、アンバランス出力のほうが鮮度は高い、と考えていたのですが…。

パワーアンプVPAはバランス入力しかありません(最新モデルはRCA入力との切り替え式です。でもシンプル至上主義のワタシとしては、初期モデルのほうが好み)。だからプリからアンバランスで出した場合は、VPAの入力のところで(コネクターを介して)バランスに変換していたのです。ところがある方にPL-Lの内部を見てもらったところ、バランス出力に使用しているトランスがかなり高品質なものだと判明。これを使わないのはもったいない、とのこと。

結局は聞いてみてどうなのか、ということなのですが、真面目にバランス出力を考えてみようと思いました。そこで登場したのは、英国VITALのケーブルVAM265です。1メートル5200円、3メートルで8000円。で、音を出してみると…。むちゃくちゃいい…。

PL−Lの場合、アンバラよりバランス出力のほうが、解像度、レンジ感は上だと思っていました。ただ、ヴォーカルの説得力が落ちる、冷たい感じがする、というマイナス点が大きくてこちらをメインにするには到らなかったのですが、VITALを使えばなんの問題もなし。ヴォーカルのツヤが増し、微妙な前後感も出ています。なにより、低域の解像度が増して、ミュージシャンの下半身が見えてくるような(muiちゃん的な意味じゃないよ)。