CD12 strikes back!

「私はCD12を持っているだけだった」。これは音の殺し屋店長の名言である。それほどCD12を鳴らしきることは難しく、それゆえ鳴らしきったときの音は、想像を絶するものだと想像できる。哀しいのは、想像するしかない自分である。

CD12の音を描写するのは難しい。ハイファイとは対極にあることは確かだけれど、情緒的というのとはちょっと違う。色気があるとも言いがたいし、解像度が高いとも言えないだろう。

濃いといえば、確かに濃い。自然といえば、確かに自然だ。個性的であると同時に、普遍を感じさせる音でもある。

さりげないけれど説得力のある音、というのは一面を捉えているかもしれないが、所詮、一面でしかない。横っ面をはり倒して「聴け、この野郎」と迫ってくる音とも言える。聴きやすい音かもしれないけれど、魂を奪われてしまうような音でもある。

私はムチを手にした天使に責められているのだろうか、それとも悪魔の饗宴に招かれているのだろうか。