作家の辺見庸さんに初めて会ったのは、彼が『自動起床装置』で芥川賞を取った直後。まだ共同通信の記者時代のことだ。ある雑誌で「眠り」に関する特集をした。安眠カプセルみたいなものに入ってもらって、話を聞いたのだ。作家の方に対してずいぶん失礼なお願いをしてしまったと反省しているが、「あの本をこういう観点から読んでもらったのは初めて」と喜んでくれた…。

この本の書評を目にしたときは、驚いた。脳出血で不自由なからだになってしまい、そのうえガンを発病。それでも、本を読むと、ぜんぜんめげていない(ように見える)。もっともっといろんな事を書いてもらいたい。発言してもらいたい。