クッパさんと一緒に、出デンさん宅へお邪魔しました。

「出入り口はデンマーク」さん、通称「出デン」さんは、ハンドルネームと同じようにご本人も個性的なキャラクターの持ち主。オフ会の席でもアイロニーたっぷりの発言で、楽しませてくれます。では、出デンさんの出す音は?

ハンドルネームの由来はみなさん、ご存知ですよね? 入り口と出口にデンマークメーカーの機器をご使用になっているということで、入り口のほうはオルトフォンから今日はスイス製(ベンツマイクロのカートリッジRuby)だったのですが、出口のほうはディナウディオのコンフィデンス5。ワタクシ、以前チェロのストラディバリ・レジェンドというブックシェルフスピーカーを使っていたのですが、同じく密閉型でユニットがディナウディオ製ということで親近感を持っておりました。それと、かつて岩崎千明さんの文章に「だまされて(ご本人談)」、JBLのD130を使っていたことがあるのも、似てる(私のほうは買っただけなんですが)。

つまり、けっこう濃いジャズ&ロックの方なのかな、と思っていたのですが、その期待はいい意味で裏切られました。ご本人とは違って(失礼ですよね)、どちらかというと控えめな、奥ゆかしい音。押し付けがましさのない、やさしい音なんです。でもよく耳を傾けると、ちゃんと低い音も出ている(コンフィデンス5は内部にもうひとつウーハーユニットが入っているようで、けっこう複雑なつくりなんですね)。

ヴォーカルは特によかったです。出デンさんが大好きだというアジアンポップスのなかから聴かせていただいたテレサ・テンなど、天使のような声。ジャッキー・チュンという男性歌手も素晴らしい。CD、欲しくなってしまいました。そうそう、出デンさんはCD12をお使いなのですが、なにかを強調するということがない、ほんとうにいい音を出されています。CD12からプリアンプのKLIMAX KONTROLまではLINNシルバー、プリからパワーアンプのアキュフェーズP700まではBELDEN8412、スピーカーケーブルはLINNというケーブルの使い方も我が家と一緒。偶然とは思えません。

でも圧巻はアナログでしたねー。途中、クッパさんがお持ちになったジョン・カールのフォノイコライザーで聴いた丸山明宏(いまの美輪さんですよ)の「ヨイトマケの唄」。はまりました。ちょっとぞくっとします。

で、このとき思ったのですが、出デンさんのシステムのポテンシャルは、とてつもなく高い。出そうと思えば、魂をかきむしるような音、咆哮するような音、部屋が揺れるような音も出る。それをあえて出さないところが、出デンさんのアイロニーなのかな、と。底知れないひとです。