高額な機器を買ってただつないだだけでは、いい音は出ない。そんな記述を目にすることがある。本当にそうなのだろうか?

我が家の場合でいえば、固くて太い電源ケーブルを純正ケーブルに戻し、ボードやインシュレーター等でセッティングすることをやめ、室内の音響を整える設備をはずし、といったことをしているうちにどんどん音がよくなっていった。昨年、200V給電をやめて100Vにし、今年になってSPのバイワイヤ接続もやめてシングルワイヤ接続にした。いまでは音楽を聴くのが楽しくてしょうがない。

僕はいまのこの音を「初心の音」と名付けたい。買ってきて箱から出して、ただつないだだけの状態。別にこれに固執するつもりはないのだけれど、いつでもここに戻って来れる「基準」を知ることができたのは収穫だと思っている。

ちなみに「初心」とは、サンフランシスコ禅センターを解説した鈴木俊隆老師の著書「ZEN MIND, BEGINNER'S MIND」からの借用です。