このおしゃれな装丁の本に、「マイ柱」のことが出ているといったら驚くだろうか。書いたのは元新潮社の編集者で『火山のふもとで』で読売文学賞を受賞した松家仁之さんだ。

主人公の女性と知り合う、真空管アンプの自作もするオーディオマニア。この男、音楽だけではなく、いろんな音、人の会話や雑踏、宇宙船の発射音などを音源にしているそうとうのヘンタイである。そんな二人の会話に「音をよくするために自分専用の電柱を立ててしまう」マニアの話が出てくるのだ。

ちょっと違うんじゃない?と思うのは…。オーディオマニアはこんなにスマートに女の人を誘えません!

沈むフランシス

沈むフランシス