物欲の地平線を見ていたら、koji4432さんがZandenの製品のことを書いていた。さすが、目の付けどころがいいなあ、と思った。

このZandenというメーカー、オーディオ誌にはほとんど出て来ないし(一度、『管球王国』のSP特集でフォノイコライザーが紹介されたのは記憶しているけど)、販売店でも見たことが無い。だがホームページを見ていただければお分かりと思うが、アンプの設計思想、デザインともに、惹かれるところが多い。

だがボクがドギモを抜かれたのは、フォノイコライザーMODEL 1000の解説部分なのだ。ZandenのフォノイコはRIAA以外のイコライジングカーブに対応しているのが特徴。その解説には「ステレオのLPレコードに世界標準のRIAA録音が少ないという事実は、オーディオ界の七不思議と言っても過言ではありません」と書いてある。世界のレコード会社のなかで、実際にRIAAカーブを採用しているのは国内のレーベルもふくめてわずか10社。それ以外は、コロンビア、デッカなど独自の特性で録音されているのだという。

え、それっていつの話なの? ステレオ初期の、50年近く前の話じゃないの? と言いたくなるでしょ。でもこの解説には「LPレコードは1956年以降、RIAAに統一されたと一般的には言われていますが、弊社ではRIAAカーブ以外にもDECCAカーブ、COLUMBIAカーブで録音されたステレオレコードが国内盤も含めて多数の存在を確認しています。」と書いてあります。

なんだか狐につままれたような気分です。もしそうだとしたら、世界中のレコード愛好家たちは、いったいなにを聴いて来たのか? ということになります。FM122など、イコライザーカーブを選べるフォノイコをお使いの方、ご意見をお伺いしたいです。