Shall we dance?
奥行きが出たとかSPが消えたとか、うかれ騒ぐのは我ながらレベルが低いと思うけど、別に奥行きを出すためにオーディオをやっているわけではないのだ。
オーケストラの一体感とか、インタープレイの妙が分かるようになれば一歩前進かもしれないが、まだそれでゴールと言うわけではないだろう。
生々しくてぞっとするというのはいい線だと言えなくもないが、あんまり心臓に悪いのも、趣味としてどうかと思う。
ポロロンと弾いたピアノの音が、それだけで音楽になっている。ぷっと吹いたトランペットの音に、思わずのけぞってしまう。そうなると、聴くのが楽しくてしょうがない。
音を聴いたとき、少なくともオーディオ的な要素が頭に浮かぶようでは、それだけでダメダメだと思う。
ヴォーカルものだったら、歌詞の意味は最低限、伝わるようでありたい。それが英語だったり他の言語だったりしても、頭ではなく心に響いて欲しい。
といっても、押し付けがましい感情表現は苦手。適度に距離を取った付き合いのほうが、長続きするケースは多い。
「思わず踊りだしたくなる音」は、ひとつの目標だった。だからDYNAMIC AUDIOの上遠野さんが、ジャーマンフィジックスのSPを300Bプッシュプルのアンプで鳴らしたとき、あんまり凄い音なので踊りだしたひとがいる、と聴いたとき、「うらやましいかも」と思ってしまった。
そのへんをヒントに、しばらく、いってみようかな。