Mr.keke

みなさん、「ステレオサウンド」132号(1999年AUTUMUN)をお持ちでしょうか。この号の特集は「SACD&CDで聴く最新アンプ39モデルの実力」というものなのだが、試聴後の座談会がチョー面白い。出席者は菅野沖彦さん、柳沢功力さん、故朝沼予史宏さん、三浦孝仁さんの4人。なかでも朝沼さんの感性と洞察力はまさに爆発しているかのようで、さすがの菅野さん、柳沢さんも、一目置いている感じが誌面から伝わってくる。いっぽうで、この頃はまだ新進評論家だったのであろう三浦さんの発言は、ことごとく他の3人から否定されたりしている…。

登場するアンプは39機種とかなり多いのだが、三浦さんがかなり気に入っている様子なのに、朝沼さんの好みに合わないアンプがあった。

三浦 ぼくは好きな音ですね。
朝沼 ぼくは苦手なタイプの音なんですよ

三浦 ウッドベースもかなり豊かですしね。
朝沼 あれは豊かすぎますよ。

三浦 これは只者ではないと。
朝沼 一言でいえば、ぼくには合わないアンプですね。

そこまで言うか?と思うでしょ。三浦さんと朝沼さんだけでなく、菅野さんも柳沢さんも、けっこうワケの分からないことを言っています。このアンプについては。で、ここで話題になっているのがデンマークグリフォンというメーカーのプリ&パワー。特にプリアンプは超ど級。定価は1720,000円。アンプ部も電源部も左右別筐体。合計4つの筐体を2つにつないだシャーシはそれぞれ10キロと14キロ。こんなアンプ、誰が使うんだろう? と思っていたら、いましたいました。ごく身近に(笑)。