江川三郎というひとが、モノラルのほうがステレオより音がいいと言っているそうだ。ステレオ録音でも、モノラルで聴いたほうがいいというのだ。ほとんど冗談?と思ってしまうけれど、この説、意外と真実をついているのかもしれない。

ステレオ録音が生まれたのは、スピーカーもアンプも2倍売れるという、音響機器メーカーの陰謀だったのではないか? そう言いたくなるほど、この音はインパクトが強い。もちろんステレオの誕生によって、音楽再生に新しい地平がひらけたのは確かだろう。しかし、失われたものも大きいのではないのか? レコードからCDに時代が切り替わったときに失われたものも大きいと思うけれど、それと同じくらい…。