昨日はA氏をお招きして、プリアンプの比較試聴。ドイツのOCTAVE HP500 SEとスイスのNAGRA PL-P。どちらも真空管増幅、価格帯もほぼ同じ。だけど、この2機種の比較って珍しいかも?

どちらも真空管増幅だけど、philosophyはかなり違う。NAGRAが3極管の無帰還増幅にこだわっているのに対し、OCTAVEは5極管を使用し、不帰還を積極的に使っている。

そのへんは顕著に音にあらわれていて、OCTAVEはソリッドステートのプリを使っているひとが聴いても違和感がないだろう、高解像度、広帯域な音。特に低域のパンチ力は素晴らしく、音場は左右に広がり、奥も深い。SNも抜群にいい。トランスによるバランス出力も装備していて、使いやすさは抜群。

どこから見ても、NAGRAが勝っている点はないように見える。しかし…。NAGRAって、なんか落ち着くんだよなあ(爆)。NAGRAは箱庭的というか、限られた空間の中で、濃密に音楽を描き出す。特にひとの声、吐息の生々しさは格別だ。そしてなにより、これはA氏と意見が一致したところだが、聴いていて疲れない。ずっと聴いていたいと思わせるなにかがあるのだ。

で、最後に実験。NAGRAのPHONO回路に使用している12AX7(ECC83)を、EIからTELEFUNKENに交換。これで化けましたね〜。一気にSNが良くなり、音場も拡大。吐息の生々しさはさらにアップ。こんなに変わるなんて、反則だ!