調子に乗って、PL-Pのプリ部のタマもTELEFUNKENにしてみました。一番最初に気がついたのはピアノ。余韻の透明感、音色の凛とした固さが出る。ピアノっていうのは打楽器であり弦楽器でもあるんだけど、その打楽器的性格が出るというか。

ベースの弦をかきむしる時の、弦がフレットにぶつかる音。ギシギシという音が聞こえるようになった。フリートウッド・マックのドラムスも、そこで「叩いている」という臨場感がいい。

ヴォーカルもヴァイオリンも良い。ハイフェッツのチャイコを聴いてみると、ハイフェッツの巨匠的雰囲気にTELEFUNKENはぴったりなのだ。

これがMULLARDだったりすると、また違うのかな?

これはPL−Pに入っていたEiのタマ。帽子みたいに見えるのは、振動を抑えるチューブダンパー。このEiというユーゴスラビアのメーカーは、独テレフンケンから工場設備を譲り受けて真空管を作っていたそうですが、音はだいぶ違う。一説によると、80年代には質のいい真空管を製産していたのだが、戦争の被害によって設備が壊滅的な打撃を受けてしまったという。オーディオも世界の情勢と無縁ではないんだなあ。