オーディオ雑誌をつまらなくしているのは、書き手の「上から目線」だとつくづく思う。読者として共感が持てるのは、評論家の先生やライターさんが、ボクらと同じ土俵で泣いたり笑ったり、右往左往・七転八倒する姿なのである。ということで、ボクがここ数年、注目していたのが「ステレオ」「アナログ」で健筆を振るっておられるT氏。JBL S9800のユニットを、特注エンクロージャーとマルチアンプで鳴らそうという試みは、連続ドラマ(サスペンス?)のように楽しかった。。。

そのシステムがついに完成! ということで、shuksさん&A氏とともにお邪魔してきました。Tさんをご紹介いただいた、「巨匠」カメラマン様にお礼申し上げます。

玄関を入ってまず、玄関のでかさにびっくり(旅館か?)。T氏のオーディオルームは2階なのですが、無垢板をぜいたくに使った階段にもビビる。さて、間近に見るシステムは写真よりはるかにきれいで、ハードメイプルの無垢の質感がいい。エンクロージャーを制作されたWOODWILLさんの、職人のプライドのようなものが伝わって来ます。ホーンはでかいけれど、威圧感がありません。おそらくラックも含めて、巧みにカラーコーディネートがされているからでしょう。ステレオ2セット、モノラル1セットを特注したという出水電機さんのパワーアンプも、仕上げがすばらしい。そして、機器の真ん中にさりげなく存在を主張しているのが、DEQXのDAC&プリ&チャンデバ。

音を聴かせていただいて驚いたのは、世界がでかい(こればっかり)。そして、とんでもないトランジェントのよさ。とにかく音の立ち上がりがいいというか、スパッと音が飛んできます。低域は重さで威圧するのではなく、軽さと早さで音楽を楽しませる方向。音量は大きいのにうるさい感じがしない。高域はクリアーで、どこまでも伸びている。ヴォーカルは音像を小さくまとめるというより、迫力で聴かせます。

DEQX、いいですね。マルチアンプシステムにありがちな、帯域のクセが感じられず、非常にまとまりがいいというのが印象。音場が、前後左右に広がるのもGOOD 。中域のカットオフスロープが300dB/octと聞いて耳を疑いましたが、チャンデバ、ルームアコースティックの調整、プリ機能、DAC機能がついて100万円以内というのは破格ではないでしょうか。

それにしてもこの音はWOODWILLさん、出水電機さん、DEQXの設定をされたクリズラボさんという3人のおじさまたちの、三位一体の作品という気がします。おじさまパワー、すごいです。もちろんT氏の執念もすさまじいものがありますが。それともT氏がおじさんキラーなのでしょうか。

とまあ、音もすさまじいのですが、T氏の選曲もいいんですよー。ご紹介いただいたCD、ぜんぶ欲しい!

Rodrigo Y Gabriela

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男女のギターデュオ。鮮烈。

Little Garden

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ロリ声がいいですね。

くちづてに

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  • アーティスト: サローキ・アーギ,ヘルツク・アーグネシュ,ボグナール・シルヴィア,ボグナール・シルヴィア/ヘルツク・アーグネシュ/サローキ・アーギ
  • 出版社/メーカー: ビーンズ・レコード/アオラ・コーポレーション
  • 発売日: 2008/02/24
  • メディア: CD
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