スイングジャーナル」の休刊にはびっくりした。姉妹誌の「アドリブ」は一足先に休刊するというし、スイングジャーナル社はいったいどうなるのだろうか。オーナー企業だから、問題ないのかな。

 今回のことは、読者が離れたというより、レコード会社の事情が大きいと思う。というのも同社の場合、CDの掲載料の収入が多かっただろうから。以前あるレコード会社の担当者に聞いた話だが、「今回の作品がゴールドディスクに決まりましたので、いくら支払ってください」という通知が来るそうだ。だが、それだけの体力がもうレコード会社にはない。

 この話、聞いたときはがっかりしたけれど、似たようなことをやっている雑誌は多い。「ステレオサウンド」だって、広告をたくさん入れてくれるメーカーを軽視するわけにはいかない。

 当然、製品の批評は、どんどん名ばかりになってくる。雑誌がつまらなくなるはずである。

 その意味では、この不況はチャンスでもある。広告目当ての記事ばかりではなく、ほんとうに面白いもの、いいものを取り上げるチャンスである。