M.A.COTTERの前身、VERIONの昇圧トランス。珍しいタイプPPです。COTTERには4つのタイプがあるそうで、オルトフォン用のP、EMT用のPP、DENON用のS、光悦などローインピーダンスのカートリッジ用のLとなっている。P、PP、Sは同じ製品で結線が違うだけ。ハンダ付けができる人ならPからPPへの変更も可能だ(そのための配線図も出回っている)。

ボクが使っているROKSAN SHIRAZはEMTの発電機構をモディファイして使用している。当然、タイプPPがインピーダンス的にはぴったんこのはず。実は以前、COTTER MKIIのタイプPを使用したことがあって、そのときはインピーダンスは必ずしも合っていたわけではないのに、なかなかの昇圧トランスだと感じた。

では、今回のEMT用のモデルは? それがあなた、音が出たとたん卒倒しそうになりましたよ。ぜんぜん違う音。まず、ゲインがむちゃくちゃ高い(爆)。フォノ入力はそれまでCDに比べて5dBくらい高くしていたのだが、あわててCDと同じレベルまで落としました。そして、音はEMTそのもの。つまり、むき出し、飾らない。プロ用というか、世界標準というか、なんかそんな音なのです。よくCOTTERは美音とか、妖艶とかいうけれど、それはオルトフォンとか光悦につないだときの音なんでしょうね。EMT用は、まさにEMTらしい音がします。むしろNAGRA PL-P内蔵のトランスのほうがよっぽど美音。

VERIONというブランド名は、他に使用している企業があったので、M.A.COTTERという名前に改称したのだとか。ところでCOTTER MKIIはよく見るけれど、COTTER MKIって見たことがない。もしかしたらVERIONがMKIで、COTTERに改称したものをMKIIとしているのかな? あと分からないのがこの銀色のケーブル。もっと茶色っぽいものもありますよね。もしかしたらMKIとMKIIとの違いはこれ?

んでもって、このVERIONで聴くバルバラの「BOBINO 1967」がまたいいんだ。バルバラの凛とした雰囲気と合ってるんだよなあ。


ちなみにアースケーブルは2本。これがかえって使いにくい。こりゃ、ML6専用トランスってこと?