音楽というのはほんらい、時間に関する芸術なのだと思う。ところが現代のハイエンドオーディオにおいては、時間よりも空間の再現性に目が向いているような気がする。たとえば左右の広がりがある、奥行きが出る、高さも出る。周波数レンジは広く、SNもいい。しかし、聴いていて楽しくない。乗れない。躍動感が出ない…。そんな音があふれている。なにかおかしい? モノラルのシステムを導入して、改めて思っていることです。

写真はジョニー・グリフィンの「スタジオジャズパーティ」。リバーサイドのモノ。聴いた瞬間のけぞる音、というのはこのことでしょう。ジョニー・グリフィン小さな巨人と言われるのがよく分かります。音がそそり立っている!